札幌大通地下ギャラリー 500m美術館

展覧会情報

Exhibition

500m美術館 vol.29

大地の物語

2019年4月13日(土)~2019年6月26日(水)

『大地の物語』によせて|港 千尋

わたしたちが生きる風景は、いろいろな流れで出来ている。都会に住んでいると忘れがちだが、生活を支えているのは、ほとんどが見えない流れである。そのことに気づくのは、しばしば、それが途絶えたときだろう。

水、電波、エネルギー。

人間が文明と信じている世界とは、インフラストラクチャーという見えない流れに依存した風景そのものだ。すべてがインフラに流れ込みつつあるのが現代かもしれない。

だがいにしえの人は、大地が流れで出来ているということに、早くから気づいていた。土地をつくる「ランドスケープ」に対して、風を抱く「風景」という言葉が、それを示している。

舞い落ちる雪、水面の木の葉、立ち昇る煙。

そこに物質を超えた特別な力を認めたとき、流れは芸術に姿を変え、時間は物語を生む。物語とは想像力によって姿を変えた、大地の風景である。

人類が残してきた物語にはいくつかの型があるが、もっとも古いもののひとつは、探求の物語だろう。幾多の困難に出会いながら、何かを探して旅がつづく。その過程で浮かび上がってくるのは、さまざまなアイデアやイメージである。不思議な記号や痕跡、そして驚きの言葉が出現する。見慣れた風景のなかに一瞬、扉が開く。新たな物語は、やがて大地を裏返す力となるだろう。

開催概要

時間:
7:30~22:00
会場:
札幌大通地下ギャラリー500m美術館
住所:
札幌市中央区大通西1丁目〜東2丁目(札幌地下鉄大通駅~バスセンター前駅間 地下コンコース内)
主催:
札幌市

Event

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アーティストトーク

出展作家に加え、モデレーターには今回フライヤーのテキストをご執筆いただいた港千尋さんをお招きします。皆様ぜひ、お気軽にお越しください。

日時:4月13日(土)PM 7:00〜|入場無料
会場:CAI02(札幌市中央区大通西5丁目昭和ビルB2)
参加アーティスト:天野祐子、荒木悠、岡部昌生、進藤冬華、長坂有希+奥野正次郎(予定)
モデレーター:港千尋(写真家・著述家・多摩美術大学教授)

Artist

参加アーティスト

天野祐子

荒木 悠

岡部昌生

進藤冬華

長坂有希

奥野正次郎