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「第2回札幌500m美術館賞」グランプリ決定!!
2013年10月24日
「第2回札幌500m美術館賞」に、ご応募頂いた皆様へ厚くお礼申し上げます。厳正な二次面接審査の結果、大黒淳一氏の作品プランをグランプリに決定しました。
グランプリ作品は2014年2月1日(土)500m美術館ガラスケースにて発表予定。2月1日のオープニングでは、ゲスト審査員の長谷川祐子氏、グランプリ受賞者の大黒淳一氏、他多彩なゲストをお迎えしてフォーラムを開催する予定です。
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「第2回札幌500m美術館賞」審査委員長、ゲスト審査員による講評
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2回目を迎えた「500m美術館賞」には21組の応募があり、2次にわたる審査の結果、大黒淳一さんの作品「WHITE OUT」がグランプリに選ばれました。これはガラスケース内に紙片などを舞い踊らせ、地吹雪のような光景を現出させるインスタレーションです。場所の特性をよく熟知し、ここでなければ実現できない提案だった点が審査員一同の評価するところとなり、今回の授賞となりました。
芸術が自然の美しさを描き出すというのはアリストテレス以来の伝統的な考え方ですが、逆に自然の方が芸術の美しさを真似ているとするオスカー・ワイルドのような考え方もあります。例えばターナーの絵を見て初めてロンドンの人達は霧の美しさを知ったというのです。私たち雪国に生活するものにとって、雪は厄介者です。しかしその困難さから少し身をひいて眺めてみれば、雪ほど美しいものはありません。芸術が自然の猛威を再現しようとしても自ずと限界があるでしょう。しかし、芸術は、ありふれた光景に対して新鮮な眼差しをむけ、認識を新たにしてくれるところにその存在意義があります。
大黒さんの作品が真冬の札幌の地下通路において、私たちの記憶を呼び覚まし、感覚を研ぎ澄まさせ、感情を揺り動かしてくれることを期待しています。願わくは温かな一杯のスープとともに。
北村 清彦(創造都市さっぽろ・国際芸術祭実行委員会500m美術館部会部会長/北海道大学大学院文学研究科芸術学講座教授)
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パブリックスペースに面した長い展示室という特殊な条件に対して、二つのタイプのプロポーザルがあった。
一つは絵画や彫刻を連綿と横にてんじしていくことで、一つの作家の個展としての世界観をみせようとするもの、もう一つはスペースを一つの特殊な空間のボリュームとみて、その中でのみ成立するユニークなプロジェクトをしようとするものである。
今回決定した大黒のプロポーザルは、雪、しかも吹雪を長い展示空間の中に再現させるもので、これは雪の美しさよりもその自然の脅威に怖れをいただく人びとにとっては、美学的に抽象化するには難しいという面もあった。しかし風の動きや強さでその動きをコントロールし多様な吹雪のありようを展開することにより、屋外(地上)で展開している自然とは異なった体験と世界観を出現されられる可能性も大きくあった。
あまりにも身近にあるがゆえに、怖れや自然の厳しい試練としか感じられないものを相対化し、視覚的に再構築することで、北海道の人びとが生きる風景をみなおすこと、このプロジェクトにその可能性を感じた。
長谷川祐子(東京都現代美術館チーフキュレーター)