札幌大通地下ギャラリー 500m美術館

展覧会情報

Exhibition

500m美術館 Vol.46 渡辺行夫 個展

「資源カメラ」

2024年4月27日(土)~2024年6月26日(水)

 

500m美術館では開設時の2011年から、北海道を拠点とし、質の高い創造性を発揮しているアーティストを多く紹介してきましたが、北海道美術界を牽引してきた作家にフォーカスしたことはほとんどありませんでした。そこで2021年、開設10年を迎えた500m美術館では、北海道美術の屋台骨を作り、実力、話題性ともに半世紀以上もの間リードし続けている作家の軌跡を個展形式で発表する企画展を行いました。翌年にも同テーマの企画を行い、注目度が高いことから、今回vol.46では北海道美術を牽引したシリーズ第三弾として渡辺行夫個展「資源カメラ」を開催します。

今年74歳になる渡辺行夫さんは、長年に渡り石彫刻家として北海道はもとより国内外で活動し、箱根彫刻の森、紋別流氷公園、四国高松市など多くのパブリックコレクションが設置されており、北海道における立体作品表現者の代表的な存在です。15年ほど前から石彫に代わって植物素材のオオイタドリを使っての立体表現へと作風に変化をみせています。北海道に多く自生しているオオイタドリは多年生野草で強い繁殖力を持ち、刈り取っても翌年には何事もなかったように4メートルほどに繁茂します。道路を管理する人たちにとっては見通しを悪くする厄介者としても有名です。渡辺行夫さんはオオイタドリの持つ生命力や特性に惹かれ、この潤沢に存在する材料でどのような作品表現が可能かを模索し始め、研究と失敗を重ねながら今の造形に至っています。

展示全体のテーマは自然環境にかける負荷を最小限にしつつ新しい表現の可能性を試みること。展覧会のタイトルは「資源カメラ」です。少しユニークなタイトルですが、渡辺さんは「地球と人間の関係が危険な状況へと間違いなく進行しています。我々は地球の資源を食い潰して増殖しています。この状況には真剣に目を向けていかなければなりません。『資源カメラ』は消費される資源側のレンズを通して人間社会を映そうと試みます。資源の側に立ってシャッターを押せるのは私たち人間です。」と今回のタイトルの理由を語っています。

さらに今回の展示ではオオイタドリ以外にガラスケース1基にはボーリング場で廃棄されたピンを使った作品を出品予定で、プラスチックの表層をむいた木材の部分だけを使用します。それも廃品の再利用となっています。

札幌と小樽をつなぐ海と山に囲まれた海岸線に位置するアトリエで毎日創造活動をする渡辺行夫さんにとって自然環境と自身の創造性の融合は文字通り至極自然なことであり、オオイタドリとの出会によって成熟した感性は長年追求してきた立体表現の集大成と言えるかもしれません。

 

 

「資源カメラ」2023年/素材:イタドリ

「資源カメラ」2023年/素材:イタドリ

「まる四角」2009年/素材:イタドリ

「まる四角」2009年/素材:イタドリ

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https://www.city.sapporo.jp/shimin/bunka/500mbijutukan/2024_questionnaire500m.html

 

 

開催概要

時間:
7:30~22:00
会場:
札幌大通地下ギャラリー500m美術館
住所:
札幌市中央区大通西1丁目〜東2丁目(札幌地下鉄大通駅~バスセンター前駅間 地下コンコース内)
主催:
札幌市
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Artist

参加アーティスト

渡辺行夫
Watanabe Ikuo